みなとみらい線

工事概要 ABOUT

硬い地盤の下を安全な方法で掘ります

みなとみらい線車両留置場は、元町・中華街駅から公用地である港の見える丘公園に入るようなルートを通っています。
車両留置場は地下19m~50mの深さにトンネルを掘って構築します。

平面図

車両留置場全体を表した平面図です。元町・中華街駅から南東方向に向かって2本の単線トンネルが228m、複線トンネルが99m、2本の併設トンネルが262mの計画です。また、換気坑として306mのトンネルを計画しています。

トンネルは、約280万年前、海に堆積した砂や泥が固まってできた上総層群と呼ばれる岩盤の中を通ります。
この層は、横浜ベイブリッジや横浜ランドマークタワーの基礎としても使われている硬い岩盤です。

地質縦断図

車両留置場の地質縦断図です。車両留置場はかずさ層群と呼ばれる岩盤の中に計画しています。主な地質の構成として、上からローム層、粘性土層、礫質土層、かずさ層群で構成されています。

横断面図

  • 1

    単線トンネル

    単線トンネルは地表面から約27mの深さに計画しています。

    上下線それぞれ独立して並んだ2本の単線トンネルです。幅が約7m、高さが約8mの小さなトンネルです。

  • 2

    複線トンネル

    複線トンネルは地表面から約50mの深さに計画しています。

    電車の進路を変える分岐器が設置された複線トンネルです。幅が約15m、高さが約12mの大きいトンネルです。

  • 3

    併設トンネル

    併設トンネルは地表面から約19mの深さに計画しています。

    10両編成の電車を2本留置することが可能なトンネルを2つ並べた併設トンネルです。トンネル1つは幅が約11m、高さが約10mです。

工事名: みなとみらい21線車両留置場建設工事(土木工事)
工事場所: 神奈川県横浜市中区元町一丁目~新山下二丁目
トンネル掘削方法: 山岳トンネル工法(NATM)・機械掘削タイヤ方式
車両留置場延長: 589m
トンネル延長: 横坑(換気坑)=306m、単線トンネル=228m×2本
複線トンネル=99m、併設トンネル=262m×2本
構造形式: 地下式(トンネル構造)
留置本数: 10両編成×4本

どんなトンネルをつくるの?

みなとみらい線車両留置場建設工事では、山岳トンネル工法のひとつであるNATM(New Austrian Tunneling Method)を採用しています。主に地盤がしっかりしているところで使う工法で、地盤が本来持っている保持力(掘った部分の形を支えようとする力)を利用しています。鋼製支保工と呼ばれる鉄の骨組みで支え、コンクリートを吹付けながらすぐに固めていくことで、地盤を補強しながらトンネルを掘っていくことができます。

トンネルを掘削している状況です。
注目!

山岳トンネル工法(NATM)とは

山岳トンネル工法は、岩盤などを機械や人力で直接掘ってトンネルをつくる方法です。日本では、水路や道路などで江戸時代から用いられてきました。NATMはこの山岳トンネル工法のひとつで、1960年代にオーストリアで誕生しました。半世紀以上日本だけでなく、世界中の鉄道や道路、水路など多くのトンネルで採用されており、現在では様々な技術開発を行いながら、海底や都市の直下などでも採用されている安全な工法です。

山岳トンネル工法の概念図です。グランドアーチを活かし、掘削した空間に鋼製支保工や吹付けコンクリートで補強する工法です。

完成イメージ

鋼製支保工、吹付けコンクリートで補強した空間に防水シート、覆工コンクリートを構築し、その後、レール等の設備を構築します。